ウィーン 建築とART

 前回のパリでの作品展から帰国して8日後に出発となった、今回のウィーンは命がけ?の旅でした。

 

それでも、シェーンブルン宮殿に展示された自分の作品を一目見ようと、気を引き締めて出発しました。

 

初めての、羽田空港からの深夜便は、現地に早朝につくという強硬なもので、気力も体力も限界状態であっても、好奇心の塊の私にとってウィーンの街は、それをも上回る素晴らしさでした。

 

やっぱりせっかくのウィーンだから・・と、お仕事の合間を縫って見学に回りました。

今年はオーストリアと日本の国交150年の記念行事が日本でも各地で行われていたため、事前にウィーンの今昔について、色々と学ぶことが出来ました。

 

特に、王侯貴族の時代と、それ以後の近代への芸術の移り変わりに興味を持った私は、その辺りを中心に見て回ることにしました。

 

もっとも、見たかったのは近代建築の父と呼ばれる、オットー・ワーグナーの建築物です。旅ではいつも芸術や自然と同様に、その国の建築に触れることをとても楽しみにしています。 

 

今回の旅の途中に10代の頃、友人と試しに行ってみた霊感占いで『あなたは前世、エジプトで建築家をしていました。』と言われたことをふと思い出しました。だから建築が好きなのかもしれませんね。

 

もしかしたらピラミッドの設計もしていたのかもしれません。占いが本当ならば長く人をやってきたものです。

上の写真が、オットー・ワーグナー作のカールス・プラッツ駅で下の写真がマジョリカハウスといい、マジョリカ島で焼かれた薔薇の描かれた陶器を壁面に施した大変美しい建物です。

 

カールス・プラッツ駅は、4つの建物があり一つは未だ地下鉄の駅として利用されていて、もう一つも資料館として機能しています。

 

世界中から、未来の建築家の卵たちがこの建物を見に訪れるそうです。

過去に戻り、ベルヴェデーレ宮殿は、ウィーンで最も美しいお城と呼ばれています。こちらには上宮と下宮があり、内部は美術館、博物館として利用されています。

 

有名なクリムト作の『接吻』という作品が上宮に展示されていることでも有名な場所です。

沢山のクリムト作品を見てきましたが、この作品はその中でも一番印象に残りました。

 

ウィーンの美術史を変えたクリムトが何を伝えたかったのか、この絵は物語っています。

ベルヴェデーレ宮殿上宮の中庭から見るウィーンの街並みは、最も美しいと伝えられ、背後に見えるブドウ畑の風景はベートーヴェン作『田園』の舞台になったそうです。

 

ウィーンでは、この景観を崩してはならないという法律があるので、ベートーヴェンの時代を現代でも感じられる貴重な場所です。

ちょうど、ベルヴェデーレ宮殿のお庭から見えるひときわ高い塔は、街の中心部にあるシュテファン寺院の南塔になります。モーツァルトの結婚式と、葬儀を行われた寺院としても知られています。

 

こちらの北塔は、本来南塔と同様に高くそびえるはずが、工事を中断して長らく低い塔でしたが、現在増築工事の計画が行われているそうです。

 

高いところから見下ろすのが怖いくせに、いつも塔をみるとなぜか上ってしまいます。今回もエレベーターで北塔を上まで登りました。

ウィーンで最も賑わう王立オペラ座の近くにある、アルベンティーナ美術館所蔵のデューラー作『野ウサギ』と『裏の芝庭』です。

 

本当に沢山の作品を見ることが出来た今回のウィーン滞在ですが、私にとって最も印象に残っているのは、クリムトの『接吻』とこの2作品です。

 

この3つに会えただけでも、来られてよかったと思っています。

ボタニカルアートを独学で始めた時、参考にした一冊の本にデューラーの『裏の芝庭』が掲載されていて、そのシックな色合いと、あるがままの自然な植物の描写にとても惹かれ、いつかこんな植物画を描けるようになりたいと思いました。

最後は、今年の6月上野の国立美術館で見たクリムト展でのレポートにてお伝えした、クリムトたちが新しい芸術を伝えようとはじめた~ウィーン分離派~の本部である分離派会館『セセシオン』です。

 

金の月桂樹の球体がとても印象的な建物は、オットー・ワーグナーの弟子であるヨーゼフ・マリア・オルブリヒの作品です。

 

その下の壁面には、詩人シラーの詩である『時代にはその芸術を、芸術にはその自由を』の文字が記されています。

 

地下には、ベートーヴェン・フリースという有名な第九をテーマにした、漆喰の壁面をつかったとても迫力のある、大きな作品を見ることが出来ます。

 

クリムトたちの志は、今もウィーンの街中に残され、伝統とモダンが溶け込む、独特の魅力で溢れていました。今後どのように独自の進化を遂げていくのか、再訪が楽しみです。

 

St.Peter's R.C.Church,Vienna

もう一つのウィーン旅行記もよろしかったらお楽しみください。

*第27回 国際平和美術展 in ウィーン シェーンブルン宮殿