A piece of cake

今朝は美しい満月が見えます。

 

私の月星座で起きる今日の満月は、半年前の3月の新月の時のことを思い出させます。

 

昨年末の手術のあと、少しずつ体調が回復してきた私は社会人になって初めてお勤めした設計事務所にご縁をいただき、画業と建築のお仕事の両立を始めました。

 

少しでも社会のお役に立てたらと思って始めたことでしたが、夏ごろよりまたよく倒れるようになり、いよいよ体力の限界を感じていました。

 

そんな中、気持ちを整えお着物を着て何とか新幹線に乗り、今回の作品展への旅は始まりました。

 

アートガーデンかわさき~新時代のArt Scene~展のお仕事を終えて、ポール・フロート氏との楽しいひと時を過ごし、少し元気も出てきたので以前から行きたかった、神奈川県川崎市にご生家のある、太陽の塔を作ったアーティストとして世界的に有名な岡本太郎氏の記念館に立ち寄ることにしました。

 

川崎のご生家は、現在岡本太郎美術館になっていますがちょうど改装中とのことだったので、少し足を延ばして東京の南青山にある、幼少期から過ごされたご自宅であり現在の岡本太郎記念館へ行くことにしました。

少し離れた場所からでも一目でわかるアートな外観に、ベランダから可愛い太陽の塔が誰か来たかな?とお出迎えしてくれていました。

大きなバナナの木がある、前庭には沢山の彫刻が見え隠れしていて、岡本太郎作品のファンにはそれだけで嬉しくなってしまいます。

かくれんぼ中の太陽の子。太郎さんの作品は強さだけでなく、丸みのある愛らしいものばかりです。

写真は自由にとっていいということで、館内に入る前の段階で十分満喫させていただきました。

無事に辿り着けてほっとしたのか、おなかも減ってきたので、パンケーキの発祥の地と言われる、こちらの記念館内喫茶室~A piece of cake~にて、ご主人お勧めのプレーンとチョコレートの2種類のパンケーキをいただきました。

 

偶然、お客さんが私だけだったこともあり、お庭を見ながらお店のご主人とお話しするひと時はとても癒されました。

 

店名の~A piece of cake~とは英語で『朝めし前』という意味でつかわれることが多いので、こちらのお店ではどのような思いを込めて名付けられたのかと伺うと

『気軽にケーキを楽しんでいただけたらといったところです』と話してくださり、人生に素敵なひと時をという感じですか?と伝えると優しい笑顔を返してくださいました。

 

館内には、太郎さんのアトリエが生前そのままに残されています。

 

太郎さんを生涯支えた養女岡本敏子さんのご尽力によって、記念館として見せていただけることに、心から感謝します。

机には大小様々な絵筆や、壁には天井まで山盛りのキャンバスが綺麗に並べられています。

『座ることを拒否する椅子』とアップライトのピアノ。

 

異質なもの同士が、とても愛情豊かに共存しています。

大きなガラスのお庭の見えるリビングより。

 

まるで、太郎さんと太郎さんが生み出したアートたちの密やかなお茶会のようです。

太郎さんのエネルギッシュな世界は、もはや誰のお役にも立てそうにない小さな私に力を与え、建築のお仕事から離れ、原点に戻って絵を描いて生きることを促しました。

 

いくつになっても私にとって人生はA piece of cakeとはなりませんが、パンケーキ屋さんのご主人が話してくださったように、このつかの間のひと時と、この手の中にある少しのものを大切にしていけばいいと、今日のお月様に導かれたようです。